墓参り

 還暦を過ぎたころ分家のものは本家の墓には入れないことを知った。ならば自分の骨は海にでも撒いてくれと思ったがそれも結構面倒らしい。そこで昨年自分のための墓を買った。そして空だと寂しいから亡母の骨を分骨してもらい納めた。納めると盆と正月くらいは墓参りをすることになるが、お盆の墓参りは大変なことを知った。墓地への道が墓参りの車で混雑するのである。

 もうひとつ思ったことがある。反抗期真っ盛りと思われる若者たちが神妙な顔をして両親と一緒に先祖の墓にお参りしているのを見たとき墓参りは家族を取り戻す役割を果たしているのかもしれないということだ。海に撒くより墓を買ってよかったと思ったものである。